YUSAKU MAEZAWASOYUZ MS-202021
WHAT DID HE ACTUALLY BUY?
Not the spacecraft.Not the station.Access to a mission.
買ったのは、宇宙船ではない。ステーションでもない。一回のミッションへの、アクセス。
前澤友作氏は2021年12月8日、ソユーズMS-20でバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在。12月20日にカザフスタンへ帰還しました。飛行時間は11日19時間34分。事前にロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターで約100日間の訓練を受けています。
ヨットや車では「何を所有しているか」を分解できます。宇宙旅行では、所有できるものがほとんどありません。かわりに購入されたのは、すでに数十年かけて作られてきた技術システムへ、一度だけ参加する権利でした。
所有ではなく、アクセス。
ヨットのページは OWNER → OBJECT の関係でした。この飛行は、別の連なりで成立しています。
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ACCESS
アクセス
契約と支払いによって、飛行への参加枠を取得する。
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SYSTEM
システム
ロケット、宇宙船、射場、管制、訓練施設、ISS。すでに存在していたもの。
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FLIGHT
飛行
打ち上げから回収まで、一回きりの実行。
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EXPERIENCE
体験
無重力、軌道からの地球、ISSでの生活。参加者の側に生じたもの。
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DOCUMENTATION
記録
撮影と記録。体験を外へ持ち出せる形にする作業。
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PUBLIC OUTPUT
公開
映像や発言として、参加者の外へ流れ出たもの。
確認できている事実
- Mission
- Soyuz MS-20
- Launch
- 2021年12月8日/バイコヌール宇宙基地(カザフスタン)
- Launch vehicle
- Soyuz-2.1a
- Destination
- 国際宇宙ステーション(ISS)/Poiskモジュールにドッキング
- Crew
- Alexander Misurkin(宇宙飛行士・船長)/Yusaku Maezawa・Yozo Hirano(spaceflight participants)
- Return
- 2021年12月20日(カザフスタン時間)/パラシュート降下によりカザフスタンの草原に着陸
- Flight duration
- 11日19時間34分(およそ12日)
- Training
- 2021年6月中旬から約100日間/ガガーリン宇宙飛行士訓練センター(ロシア)
- Arranged by
- Space Adventures(ロシア連邦宇宙局 Roscosmos との飛行)
- Contract value
- 非公表。Space Adventures は金額を公表していません。
報道では推定額に幅があり、確定値はありません。本サイトでは金額を数字として掲示しません。一席あたりの価格へ分割することもしません。
12 DAYS IN SPACE.
DECADES UNDERNEATH.
Different layers of time, not a score./時間の層が違うという話です。点数ではありません。
実際の日数の比率で描いています(短いバーは見えるように最小幅を設けています)。ISSの連続有人滞在は2000年11月の第1次長期滞在到着からの継続日数です。
同じ一回の飛行を、別の側から見る。
THE EXPERIENCE体験の側
- 打ち上げ
- 無重力
- 軌道から見た地球
- 宇宙での生活
- ISS滞在
- 帰還
- 個人の記憶
- 映像・記録
THE SYSTEMシステムの側
- Soyuz MS-20
- Soyuz-2.1a
- バイコヌール宇宙基地
- 軌道投入
- ランデブー
- ドッキング
- 生命維持
- ISSの運用
- 通信
- 地上管制
- 分離
- 軌道離脱
- 大気圏再突入
- 着陸と回収
どちらが偉いかの判定ではありません。左は参加者に起きたこと、右はそれを成立させたもの。
同じ飛行について、語彙がまったく違う。
PARTICIPANT MESSAGE
Yusaku Maezawa(spaceflight participant)
-
「あっという間の宇宙での12日間でした」
帰還直前の投稿。語られているのは、過ぎた時間の速さ。
-
「Once you are in space, you realize how much it is worth it by having this amazing experience.」
Space Adventures の公式リリースに掲載されたコメント。体験そのものの価値について。
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「地球を大事にしようと思った」
帰還後の記者会見。軌道から地球を見たあとの話。
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「たくさんの方々に宇宙に行ってほしい」
同会見。自分の体験を、他の人にも開きたいという方向。
本人の公開発信および公式リリース掲載のコメントから。引用は必要最小限にとどめています。
SYSTEM MESSAGE
NASA / Space Adventures ほか
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spaceflight participants
NASAは3人を「宇宙飛行士1名と、spaceflight participants 2名」と書き分けています。役割の区別が最初にきます。
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Poiskモジュールからの分離
どのポートから、何時何分に離れるか。時刻で書かれます。
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パラシュート降下による着陸
「帰ってきた」ではなく、降下方式と着陸地点が書かれます。
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12日間の行程
Space Adventures は「12-day journey」として、船長の指揮下にある行程として記述しています。
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民間参加者としての通し番号
同社を通じてISSを訪れた「8人目と9人目」、日本初の民間 spaceflight participants という位置づけ。
システム側の公開情報は、体験ではなく「工程が成立したこと」を記述します。同じ飛行の記述でも、語彙がまったく違います。
「宇宙へ行く」は短い。
帰ってくる仕組みは、そうでもない。
PARTICIPANT「宇宙へ行ってきます。」
- launch
- orbital insertion
- rendezvous
- docking
- life support
- power
- communication
- station operations
- undocking
- deorbit
- re-entry
- landing
- recovery
人物を笑う対比ではありません。人間の言葉が短くて済むこと自体が、その下のシステムが機能している証拠です。編集表現であり、実際の発言の引用ではありません。
“GO TO SPACE” IS ONE LINE.
THE RETURN TRIP ISN’T.
「宇宙へ行く」は一行。帰ってくるまでには、かなり多くの行がある。
宇宙へ行ってきます。
- LAUNCH
- ORBITAL INSERTION
- RENDEZVOUS
- DOCKING
- LIFE SUPPORT
- POWER
- COMMUNICATION
- STATION OPERATIONS
- UNDOCKING
- DEORBIT
- RE-ENTRY
- LANDING
- RECOVERY
どれか1つが成立しなければ、この飛行は成立しません。順序と名称は公開情報にもとづきます。
ONE PERSON WENT.
ONE PERSON DIDN’T MAKE IT HAPPEN.
宇宙へ行ったのは1人。1人で行ったわけではない。
1
PARTICIPANT
Yusaku Maezawa
BEHIND IT
- MULTIPLE TEAMS
- MULTIPLE CONTROL CENTERS
- MULTIPLE ORGANIZATIONS
- Commander
- Launch team
- Spacecraft engineers
- Rocket engineers
- Flight controllers
- ISS operations
- Medical support
- Communications
- Training staff
- Recovery teams
関わった人数は公表されていません。人数は書きません。並べているのは、公開情報から確認できる職能です。順位ではありません。
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Roscosmos
ソユーズと打ち上げの運用主体。
-
Space Adventures
民間参加者の飛行を手配。
-
NASA / ISSパートナー機関
ISS側の運用。
-
ガガーリン宇宙飛行士訓練センター
約100日間の訓練を実施。
SAME SYSTEM. DIFFERENT STORY.
搭乗者を入れ替えてみます。実際にはHIKAKIN氏はISS滞在中の前澤氏と生配信でつながっただけで、搭乗はしていません。ここから先は思考実験です。
THE HEADLINE CHANGED MORE THAN THE HARDWARE.
変わるのは、人。残るのは、ほとんど全部。
どちらがふさわしいかの話ではありません。同じシステムの上で、語られ方だけが入れ替わる、という観察です。
ACCESS VS CREATION
DIDN’T CREATE作ったわけではないもの
- ROCKET
- SOYUZ
- ISS
- ORBITAL SYSTEM
- GROUND CONTROL
- LIFE SUPPORT
DID ADD加えたもの
- ACCESS
- TRAINING
- RISK
- PRESENCE
- DOCUMENTATION
- PUBLIC OUTPUT
ACCESS ≠ CREATION.
ACCESS ≠ NOTHING.
点数はつけません。この2つが同時に成り立つ、というだけの表示です。
WHAT CAME OUT OF THE FLIGHT?
- LAUNCH
- ORBIT
- ISS
- DOCUMENTATION
- YOUTUBE
- HIKAKIN LIVESTREAM
ROCKET.ORBIT.DOCKING.LIFE SUPPORT.HIKAKIN.
揶揄ではありません。数十年かけて作られた有人宇宙飛行システムの出口が、最終的には日常的なメディアコンテンツになる、という観察です。
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YouTubeでの記録公開
訓練から帰還までを自身のチャンネルで公開。
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宇宙でやってほしい100のこと
一般公募した企画を軌道上で実施。
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平野陽三氏による記録
production assistant として飛行を記録。
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HIKAKINとのISS生中継
2021年12月15日、ヒカキンTVでISS滞在中の前澤氏と生配信。
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帰還後の会見
地球環境や、より多くの人が宇宙へ行くことについての発言。
社会貢献度の評価ではありません。公開情報で確認できたものだけを並べています。
同じ「宇宙旅行」という言葉で呼ばれている。
中身は、ほとんど別物。
価格の順位ではありません。到達高度、軌道か否か、ISSに行ったか、何日いたか。ここが違うと、成立させるシステムも訓練も、まるごと変わります。
SOYUZ / ISS
Yusaku Maezawa2021
- Category
- 軌道飛行・ISS滞在
- Vehicle
- Soyuz MS-20 / Soyuz-2.1a
- Orbital?
- 軌道
- ISS
- 滞在あり(Poiskにドッキング)
- Duration
- 11日19時間34分
- Altitude
- ISS軌道
- Role
- spaceflight participant
SOYUZ / ISS
Dennis Tito2001
- Category
- 軌道飛行・ISS滞在
- Vehicle
- Soyuz TM-32
- Orbital?
- 軌道
- ISS
- 滞在あり
- Duration
- 7日22時間4分(うちISS約6日)
- Altitude
- ISS軌道
- Role
- 民間参加者(ISSを訪れた最初の有料参加者)
SPACEX ORBITAL
Jared Isaacman2021
- Category
- 軌道飛行・ISSなし
- Vehicle
- Crew Dragon(Inspiration4)
- Orbital?
- 軌道
- ISS
- なし(自由飛行)
- Duration
- 約2日23時間
- Altitude
- 約590km
- Role
- ミッション指揮
VIRGIN GALACTIC SUBORBITAL
Richard Branson2021
- Category
- 弾道飛行
- Vehicle
- VSS Unity
- Orbital?
- 弾道(軌道に乗らない)
- ISS
- なし
- Duration
- 約14分17秒
- Altitude
- 約86.1km
- Role
- 搭乗者
BLUE ORIGIN SUBORBITAL
Jeff Bezos2021
- Category
- 弾道飛行
- Vehicle
- New Shepard(NS-16)
- Orbital?
- 弾道(軌道に乗らない)
- ISS
- なし
- Duration
- 約10分10秒
- Altitude
- 約107km
- Role
- 搭乗者
気づいたら再突入の話を読んでいる。
ここから先は、好きな人だけ読めばいい場所です。一次情報を上に置いています。
- NASA — Soyuz MS-20 分離・着陸の告知
乗員の役割の書き分け、分離ポート、着陸方式。一次情報。
- Space Adventures — 帰還の公式リリース
手配側の公式発表。本人コメントと平野氏の役割。
- NASA — International Space Station
訪問先そのものの一次情報。
- 前澤友作 公式「宇宙でやってほしい100のこと」
参加者側の公式企画ページ。
- Inspiration4 公式ミッションページ
比較用。ISSに行かない軌道飛行の例。
出典一覧
- NASA TV Covers Visiting Trio Undocking in Soyuz Crew Ship NASA(Space Station Blog) / 2021-12-19 乗員の表記、Poiskからの分離、パラシュート降下による着陸の一次情報。
- Space Adventures' Clients, Yusaku Maezawa and Yozo Hirano, Return From The ISS Space Adventures / 2021-12 手配会社の公式リリース。本人コメント、平野氏の役割、民間参加者としての位置づけ。
- International Space Station NASA ISSそのものの一次情報。
- 前澤友作(MZ)に宇宙でやってほしい100のこと大募集! 前澤友作 公式サイト / 2021 参加者側の公式企画ページ。自動取得はブロックされるため、内容は検索結果および報道で確認。
- 前澤友作氏が民間人宇宙飛行士として日本人初のISSヘ トラベル Watch / 2021-05-14 訓練開始時期・訓練期間・訓練施設・YouTubeでの記録公開の出典。
- 前沢友作さん地球帰還 元気な姿で12日間終える 日本経済新聞 / 2021-12-20 帰還時の本人投稿と、帰還後会見での発言の出典。
- Japanese billionaire and crewmates land from short stay on space station Space.com / 2021-12-20 飛行時間と、契約金額が公表されていないことの出典。
- Japanese billionaire Yusaku Maezawa lifts off for space station on Russian Soyuz Space.com / 2021-12-08 打ち上げ機と射場の出典。
- Inspiration4 — Mission Inspiration4(公式) 比較用。ISSに行かない軌道飛行。
- Virgin Galactic launches Richard Branson to space in 1st fully crewed flight of VSS Unity Space.com / 2021-07-11 比較用。弾道飛行の高度と所要時間。
- Blue Origin launches Bezos on first crewed New Shepard flight SpaceNews / 2021-07-20 比較用。弾道飛行の高度と所要時間。
- Soyuz TM-32 Wikipedia 比較用。Dennis Tito の飛行時間について一次資料は未確認。
- HIKAKIN 告知投稿「今夜8時頃YouTubeのヒカキンTVで今宇宙にいる前澤さんと生配信でテレビ電話します」 X(@hikakin) / 2021-12-15 ISS滞在中の前澤氏との生配信の告知。
- 【ヒカキンもついに宇宙へ!?】宇宙にいる前澤さんに生配信で質問コーナーしてみたw【生中継】 HikakinTV(YouTube) / 2021-12-15 実際に配信された動画。ISSからの生中継。
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